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第296回健康教室開催報告を掲載しました(『災害に備えて』~災害が起こった時に考えておくべきこと~)

2015.09.04

 大阪市危機管理室 自主防災組織力向上アドバイザー 芦田 豊通様より『災害に備えて』~災害が起こった時に考えておくべきこと~について講義頂きました。

 地震はプレート(地球の表面を覆う10数枚の厚さ100km程の岩盤)の動きによって起き、日本周辺では4枚のプレート(ユーラシアプレート・北米プレート・太平洋プレート・フィリピン海プレート)がぶつかりあっている。プレートは海側から陸側へ沈み込んで日本列島を押し続けています。

 地震には「海溝型」(沈み込んだプレートが跳ね上がって起こる地震)と「直下型」(陸側プレートの断層のひずみで起こる地震)があり、代表的な海溝型は東日本大震災で長く大きな揺れと津波の可能性があり、直下型は阪神・淡路大震災で強く激し縦揺れが特徴である。

 直下型の特色は、陸で発生し10秒~20秒激しく短い揺れで、1,000年~1万年周期で起こり、海溝型の特徴は海で発生し2分~3分間ははきく長い揺れで、90年~150年周期で起こる。南海トラフ巨大地震は海溝型で1,000年以上の周期で起こっている。

 ■海溝型

 東南海・南海地震は最後の地震から160年以上が経過している為、いつ起こってもおかしくない状態で、発生すれば約110分から120分で大阪市へ津波襲来の可能性もある。

南海トラフ巨大地震が起こった場合、城東区は震度6弱の予想で、液状化の可能性も大きい。

 ■直下型

 大阪の「上町断層帯」は豊中から岸和田を結ぶ約42kmで、想定震度は城東区で震度6強~7である。

 ★震度6弱:立っている事が困難にある。壁のタイルや窓ガラスが破損、落下する事がある。

 ★震度6強:はわないと動く事が出来ない。飛ばされる事もある。

        耐震性の低い木造建物は傾く物や倒れる物が多くなる。

 ★震度7 :耐震性の高い木造建物でも、まれに傾く事がある。

        耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では、倒れる物が多くなる。

 ■自助・共助

 阪神・淡路大震災で、閉じ込められた家屋から助かった人は約16万5千人。

生き埋めになった人たちの内、34.9%が自力で、31.9%が家族に、28.1%が友人や隣人によって救出されており、98%が自助・共助で助かっている。

速く助ける事が大切で、1日目で救出された人の生存率は80%で、2日目で25%、4日目以降になると5%と急激に低くなる。助かる為には、救助を待つより、隣近所で協力し合い、自分たちで助け合う事が生存率を上げる鍵となる。

 大阪市では自主防災組織が中心となった組織が進行中で、大規模な災害時にはどうしても、公的(消防・警察・市・区)な助けが足りなくなるので、地域が連携して災害に備え、災害時に関係機関と連携して助け合える体制を構築している。

 ■避難する時の心得

 ・動きやすい服装で、隣近所で助け合いましょう。

 ・火気を確かめ、消しましょう。

 ・ガスの元栓を閉め、電気のブレーカーを切りましょう。

 ・高齢者の方のお子様、身体の不自由な方などで援護を必要とする方は、早めの避難が必要です。

 ・援護を要する方に声をかけ、避難の準備や避難に協力しましょう。

 ・車での避難は控えましょう。

 

■次回は9月24日(木) 午後1時30分より 大道クリニック 2階会議室で開催予定です。

 演題:「おなかの不調はありませんか」~腹部救急と消化器癌ごお話~

 講師:森之宮病院 診療部 外科部長 兼 救急・災害医療部長 大沢 常秀医師

 

(健康教室事務局/ボバース記念病院事務部庶務課 髙木剛)

 

 

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