人工透析の説明
血液透析(HD)とは?
腎臓は、1日に約170リットルの血液を濾過し、約0.5~2.5リットルの尿を作っています。腎臓の機能低下によって慢性腎不全が進行すると、腎臓で尿が作られなくなり、本来尿として排泄されるべき老廃物や毒素、余分な水分が体の中に溜まった状態になります。 血液透析とはこれらの老廃物等を腎臓に代わって体の中から除去する治療法です。 他にも体液量や電解質バランスの調整も行っています。
体の中に蓄積する老廃物には何があるの?
体に不要な老廃物はおもに代謝老廃物と言われるものです。代謝とは栄養素を体の維持に必要な成分に合成したり、体物質を分解してエネルギーを発生させた後に残った物質が老廃物になります。通常は尿として体外に排泄されます。
体の中に老廃物が貯まると…?
倦怠感や吐き気、頭痛、意識障害などの症状がみられる尿毒症を引き起こします。尿毒症とは、腎臓の働きが極度に低下して起こる全身の変化をいい、急性又は慢性の腎臓障害が進行した状態です。他にも腎性貧血・高血圧・浮腫など様々な症状が表れます。
血液透析濾過(オンラインHDF・オフラインHDF)とは?
血液透析に濾過という工程を加えたものが、血液透析濾過になります。HDFでは通常の血液透析では除去できない物質(透析アミロイドーシスの原因となるβ2マイクログロブリンなど)を除去することができます。
皮膚搔痒症やレストレスレッグス症候群、透析低血圧などの透析困難症の軽減に効果があり、身体に最も負担の少ない治療法です。