大動脈治療センター(心臓血管外科)

大動脈瘤治療を中心に、血管疾患に対して身体への負担が少ない治療を行っています。

心臓血管外科は、血管疾患、特に大動脈瘤治療に専門化した形態をとっています。ステントグラフト治療を中心に、その他外科手術を組み合わせて、患者さんにとって最小の身体の負担で最大の効果が得られるように考えております。末梢血管(頸動脈、下肢動脈)についても同様で、血管内治療と外科治療および、その組み合わせ(ハイブリッド手術)を行っています。

 

診療対象

  1. 大動脈疾患(胸部大動脈瘤、大動脈解離、腹部大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤など)
  2. 大動脈疾患を伴う心臓病(心臓弁膜症など)
  3. 末梢動脈疾患(頸動脈狭窄、閉塞性動脈硬化症、動脈塞栓症など)
  4. 透析用シャント作成、シャントトラブル修復

外来医師担当表 [予約制]

診療時間

受付
AM 8:30~11:30
診察
AM 9:00~12:00

 

 

加藤(雅)

赤井

大久保
(2,4週)

加藤(雅)
(新患のみ)

元木

受付
PM 1:00~4:30
診察
PM 1:30~5:00

 

 

元木

加藤(雅)

 

 

休診情報

加藤医師     3月中の外来すべて休診

元木医師     3月13日(水)午後 外来休診

※急な休診等もございますので、ご了承ください。

特色

大動脈解離並びに胸部・腹部大動脈瘤に関しては、人工血管と金属ステントを組み合わせ、カテーテルで施術可能な、ステントグラフトという体に負担の少ない治療(ステントグラフト内挿術)を行います。心臓血管外科の加藤雅明医師は大阪府立病院時代にこの方法を開発、1993年から臨床使用しており、日本のみならず世界のエクスパートの一人です。森之宮病院は大動脈解離・大動脈瘤に対するカテーテル治療の専門治療施設として注目されている病院です。
当センターでは、2006年から保険適用の腹部大動脈瘤用ステントグラフトを使用してきました。胸部大動脈瘤と大動脈解離についても、2008年から全国の病院に先駆けて保険適用のステントグラフトを使用できるようになり、積極的にこの治療を行っています。加藤医師は、腹部大動脈瘤の指導医に続いて、胸部大動脈瘤に関する指導医の資格を日本で初めて取得しています。
また当院では、大動脈解離・大動脈瘤に関する遺伝子検査を中心とした基礎研究も行っており(順天堂大学、防衛医科大学との共同研究)、大動脈解離・大動脈瘤の発症防止に向けた取り組みにも力を入れています。

 

閉塞性動脈硬化症や急性血栓症などの動脈疾患では、体に負担の少ないPTA(血管形成術)を第一に考えますが、外科手術も行います。また虚血下肢に対する十分なフットケアも実施、指導していきます。


2009年12月に手術室を改装し、天井釣り型の透視装置と、X線透過性のある手術台を組み合わせたHybrid(バイブリッド)手術室が全国でもいち早く完成しました、従来のCアーム透視装置に比べ、術中の画像診断が飛躍的に向上しました。
この結果、ステントグラフト内挿術での細かい操作や長時間の透視が可能となり、よりハイレベルな治療を提供をしています。

 

スタッフ構成

心臓血管外科医 3名
  心臓血管外科指導医 1名
  日本胸部外科学会認定 心臓血管外科専門医 1名
  日本血管外科学会認定 心臓血管外科専門医 1名
  日本心臓血管外科学会認定 心臓血管外科専門医 2名
  日本外科学会指導医 1名
  日本外科学会認定 外科専門医 3名
  日本胸部外科学会指導医 1名
  日本循環器学会認定 循環器専門医 1名
  日本血管外科学会認定血管内治療医 2名
  日本脈管学会認定脈管専門医 2名
  下肢静脈瘤血管内治療実施管理委員会認定実施医・指導医 1名

心臓血管外科専門医機構施設
ステントグラフト実施管理委員会認定施設
ステントグラフト
  腹部指導医・実施医 3名
  胸部指導医・実施医 2名
  胸部実施医 1名

当科での治療内容

治療実績

心臓血管外科では、開院した2006年4月から2020年12月までに約4,000件の手術を行いました。胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術を中心に症例を増やしてきました。

 

                                                               図1 心臓血管外科の手術症例数

 

胸部大動脈瘤については、弓部主要分枝を巻き込んだ症例に対し、Debranching(ステントグラフトによって閉塞される予定の頚動脈や鎖骨下動脈を、先にバイパスしておいてからステントグラフトを内挿する)を積極的に取り入れて、困難症例でも安全に施術できています。
腹部大動脈瘤についても、腎動脈をはじめとする腹部主要分枝を巻き込んだ症例に対し、Fenestrated stent-graft(腎動脈や上腸間膜動脈、腹腔動脈に当たる部分のステントグラフトの壁を予め切り取り"窓"を開けてあるデバイス。ここから別の小口径ステントグラフトや枝を分枝に内挿する)を取り入れて、通常ではステントグラフト内挿術が無理で従来の開腹人工血管置換術にまわる症例でも、カテーテル治療を可能としています。

また、虚血性腸炎の発生を抑えるべく骨盤腔内の血流確保を重要視して、内ー外腸骨動脈バイパスを同時施行したり、内腸骨動脈瘤に対してのIBD(Iliac Bifurcated Device)を導入しています。対象症例の高齢化に伴い腎機能低下合併症例も多く、造影剤による腎障害をできるだけ回避すべく、術中IVUS(lntra Vascular Ultra Sound:血管内超音波)を駆使して造影剤を極力使用しないように努めています。

末梢血管、多くは閉塞性動脈硬化症が対象ですが、これに対してもまずは血管形成術(PTA)、Stentingを心がけ、バイパス手術とのHybrid手術も取り入れて、手術侵襲を抑えるようにしています。

主な紹介元施設

大手前病院、大阪国際がんセンター、済生会泉尾病院、北野病院、第二大阪警察病院、済生会野江病院、関西電力病院、大阪市立総合医療センター、大阪急性期・総合医療センター、河内総合病院、大阪府済生会吹田病院、市立東大阪医療センター、野崎徳洲会病院、近畿大学医学部奈良病院、神戸市立医療センター中央市民病院、新宮市立医療センター、沖縄県立宮古病院、京都第二赤十字病院、富山大学附属病院、福井大学医学部附属病院等多数

スタッフ紹介

患者さんにとって最適な治療法を提供します。


心臓血管外科部長
元木 学
(もとき まなぶ)

心臓疾患、大動脈疾患、動脈疾患に対する手術治療が専門です。
同じ疾患でも患者さんによって状況が異なります。また最近では手術方法も多種多様となっています。患者さんお一人おひとりの全身状態、生活環境を十分に検討し、最適な治療法を提示します。どのような手術でも身体に負担をかけますが、可能な限り負担を少なくして、負担に見合った治療を提供させていただきます。

プロフィール

2000年大阪市立大学医学部卒業。
国立大阪病院、大阪市立大学医学部附属病院、大阪市立総合医療センターを経て2014年7月から森之宮病院心臓血管外科。

  • 日本外科学会認定 外科専門医
  • 日本胸部外科学会認定 心臓血管外科専門医
  • 日本血管外科学会認定 心臓血管外科専門医
  • 日本心臓血管外科学会認定 心臓血管外科専門医
  • 日本循環器学会認定 循環器専門医
  • 胸部大動脈ステントグラフト指導医
  • 腹部大動脈ステントグラフト指導医
  • 難病指定医

 

 

質の高い医療を提供します。


心臓血管外科部長
赤井 淳
(あかい あつし)

患者さんに一日でも早く日常生活に復帰して頂くことを目標にしています。手術のみならず病棟診療においても、森之宮病院の心臓血管外科チームならではの質の高い医療を提供します。

プロフィール

2003年東京大学医学部卒業。
東京大学血管外科、旭中央病院外科等で勤務。2015年から1年間森之宮病院で勤務の後、東京大学血管外科助教授を経て2018年4月から再び森之宮病院心臓血管外科勤務。

  • 日本外科学会認定 外科専門医

 

 

可能な限り手術を避ける方向で日常の診療に臨んでいます。


心臓血管外科顧問
加藤 雅明
(かとう まさあき)

「鬼手仏心」。私は心臓血管外科医ですので、仕事の内容は心臓病や大動脈疾患、血管閉塞に対する手術治療です。しかし多くの患者さんは、「切られること」が嫌で、できれば手術を避けたいというお気持で病院を訪れることかと思い、当センターではできるだけ「手術を避ける」方針で日常の診療に臨んでいます。どうしても手術が避けられない場合には、患者さんにかかるある程度の肉体的苦痛と負担とに見合うだけの、質の高い外科治療を提供させていただきたいと思っています。

プロフィール

1983年愛媛大学医学部卒業。
大阪大学附属病院第一外科、大阪府立病院、桜橋渡辺病院心臓血管外科から、埼玉医科大学心臓血管外科助教授(血管部門チーフ)、2006年4月から森之宮病院心臓血管外科部長、2019年4月から森之宮病院心臓血管外科顧問。

  • 日本心臓血管外科学会認定 心臓血管外科専門医・指導医
  • 日本外科学会認定医認定専門医
  • 胸部ステントグラフト指導医
  • 腹部ステントグラフト指導医
  • 難病指定医
  1. 森之宮病院
  2. 診療科・部門
  3. 大動脈治療センター(心臓血管外科)