Q&A・ご意見集

2021年4月よりオンデマンドによる脳性まひ講演会を配信しております。毎回、全国から多くの方に視聴していただき、誠にありがとうございます。配信後にいただいたご質問やご意見にできる範囲でお答えしましたので、ご紹介いたします。

 

講演のテーマについて

Q 脳性まひのタイプ別に絞った内容の講演は予定されていますか?

順次、タイプ別の特徴や治療方法、リハビリテーションなどをテーマに講演を行う予定です。

 

Q リハビリをテーマにセラピスト(PT.OT.ST)による講演は予定されていますか?

今後の講演会テーマの候補として企画、準備しております。(※2021年10月の講演会のテーマは「脳室周囲白質軟化症(PVL)児に対するリハビリテーション」となりました。)

 

Q 脳性まひの障害と発達障害との関係、社会性や人間関係の困難さ、自己肯定感の困難さについても、ご助言頂ければありがたいです。

今後のテーマの候補として検討させていただきます。

 

診療・入院について

Q ボバース記念病院を受診したいのですが、受診の手続きを教えてください。

受診希望の方は下記までご連絡をお願いいたします。

⇒ボバース記念病院 外来担当 06-6962-3131(代)

 

Q 貴院への受診時期の目安等を教えていただけると幸いです。

ご連絡が早すぎることはありません。産まれる前後で問題があった、今受けている治療に疑問があるなどのご心配があればご相談させていただき、受診の必要性や望ましい時期についてお伝えいたします。

 

Q こんなご時世なので、遠隔診療で診察を受けたいのですが可能ですか?

麻痺や発達の診療においては実際に医師が触って動きや反応を見ることが非常に重要です。Webのシステムを利用した遠隔診療も検討はいたしておりますが、できる限り来院していただくのが望ましいです。来院が困難な際にはお電話でご相談ください。

 

Q ボバース記念病院では『障がい者ドック』の導入はしていますか?

申し訳ございませんが、導入しておりません。当院では、定期的なリハビリ入院の中で一般的な内科疾患を診察し、必要に応じてエコー検査・レントゲン撮影などを実施させていただきます。

 

Q ボバース記念病院では脳性まひの診断や評価のためのMRI検査を行えますか?

当院にはMRIの器機がありませんので、診察にて必要と判断した場合は同法人の森之宮病院にてMRI検査を行っております。

 

Q SDR(選択的脊髄後根切断術)の適応について教えて欲しいです。

一般的には歩くことができる痙性両麻痺の幼児がSDRの対象となりますが、例外もあります。また、SDRは経験がある専門施設で受けることはもちろん、その後のリハビリテーションを十分に行わなければ効果が得られません。手術の適応や時期を決める際にはタイプや重症度だけでなく全体的な発達やリハビリテーション環境も重要なポイントになりますので、実際に診察して相談させていただくのがベストです。

 

Q 成人後、齢を取るにしたがって運動能力が低下すると聞きました。SDR(選択的脊髄後根切断術)をしても低下していくのでしょうか?

一般的にはSDRをした方が運動能力の低下しにくいことが知られております。

 

Q 初期評価の段階で脳性まひであると告知したり、ある程度の予後を保護者の方に伝えたりするのでしょうか?保護者の精神的なフォローについては具体的に誰が担うのでしょうか? (医療・介護関係者の方より)

病名の告知や病状の説明は、保護者の方が冷静に受け止めて理解していただける状況で行います。医師、看護師、療法士が保護者の方の知識や心理状態、生活状況、支援の有無などを見極め、説明する時期や内容を吟味します。病名や重大な予後などは基本的にご両親がそろわれた場面で説明します。説明は治療や介入方法とセットで行うべきですので、基本的には新生児科の医師ではなく療育の担当医が行います。支援が乏しく保護者の負担が大きいと思われた時には、地域の保健師や療育センターの方に連絡を取って精神的なフォローなどをお願いすることもあります。その場合、誰がキーパーソンになるかはケースバイケースですが、大切なのは説明の内容を共有することです。たとえば、手術などの大きな治療が必要な状況であっても誰かが「まだ大丈夫」などと気休めを言ってしまうと必要な治療への決断が鈍ってしまい、良い結果にはなりません。説明する側の意識の共有が最も大切です。

 

Q 正期産(在胎37週以降)で生まれたのですが、頭部MRIで脳室周囲白質軟化症(PVL)と診断されました。講演ではPVLは早産の子どもに発症すると説明されていましたが、正期産でもあるのでしょうか?

正期産でも稀に出生前にPVLを発症していることがあります。しかし、経験的にはMRI上ではPVLに似ていても本当は違う病態(境界域脳梗塞)であることの方が多いです。境界域脳梗塞は傍矢状部脳損傷とも言われ、正期産で軽い仮死に伴って生じ、一見PVLと同じようなMRI像を示します。運動障がいや知的障がいの出方がPVLとは少し違いますので、当院ではできるだけ明確に区別し、より適切な介入の方法につなげるようにしています。

 

Q 講演会(第3回)の内容で側弯について挙げられていましたが、脊柱矯正固定術はどのような方を対象に勧められているのでしょうか?また、メリットとデメリットを教えてください。(医療・介護関係者の方より)

成人期にコブ角が80度を超える可能性が高い症例であれば、脳性麻痺のタイプにかかわらず側弯手術を勧めて良いと思います。具体的には、二次性徴期前にコブ角45度を超える側弯や成長終了後に70度を超える側弯が目安になると思います。
側弯手術のメリットは、呼吸器系や消化器系の臓器への悪影響を取り除くことができること、姿勢のバランスが改善すること、介助者の負担が減ることが挙げられます。そういった負担が減ることで、本人のQOLも改善します。
デメリットは、感染や出血といった手術時の合併症のリスクが筋解離などの簡単な手術に比べて高くなることがあります。股関節脱臼などで股関節の可動域制限がある症例では、脊椎を固定することで座位がとりにくくなる場合がありますので、術前の股関節の状態をよくしておくことも大切です。デメリットの多くは、極端に重度になる前に手術をすることや体の緊張や股関節脱臼を治療しておくことで回避できます。極端に重度の側弯では、手術で側弯を完全に矯正できないため、バランスの悪さが残ってしまったり、合併症のリスクも高まりますので、適切な時期に手術することが望ましいです。

 

Q 2歳でアキレス腱延長術を施行した両麻痺の女児の担当をしております。術後経過は良く独歩可能で現在は健常児と一緒の幼稚園での生活にもほとんど不自由がないほどです。講演会(第3回)を拝聴して、2歳で手術は一般的には早いということがわかりました。現在の状態は良いですが、予後(学童期、成人期、老年期)はどのようになる可能性が考えられますか?(医療・介護関係者の方より)

講演では時間の関係上、一般的な話をしましたが、症例によっては、2〜3歳で手術する場合もあります。全体的な運動発達を見ると安定した歩行ができる能力があるのに、尖足が原因で歩けないようなケースなら、早く手術をすることで、停滞していた運動発達を進めるという利点があります。ただし、元々の痙縮が強いお子さんであれば、低い年齢で手術をすれば、残りの成長の期間が長くなる分、尖足が再発するリスクが高くなります。そういったケースでは、ボトックスや装具療法でできるだけ手術を先延ばしにしておくほうが、再発して再手術になる確率が減ります。
質問に書いていただいているケースは、痙縮が軽度であるようですので、再発のリスクは低いと思われ、適切なタイミングで手術されたのだと予想されます。成長期には尖足の再発に注意が必要です。成人期に尖足が残ると、痛みなどの症状が出てくる可能性が高いですが、再発がなければ成人以降に問題が起こる可能性は少ないです。

 

Q 診察を受ける時の親からドクターへの伝え方や診察を受ける時のポイントを教えて欲しいです。
・娘は6歳の重心児で自分の意思は伝えることができません。
・整形の定期検診(半年に1回程度)は受けていますが、診察中はいい子にしてて、日常の緊張の強さ、引き込み、機嫌の悪さが伝わりません。また、セラピストからも治療や装具の提案があまりありません。そのため気にはなるけど、短下肢装具や側彎矯正装具も作っていません。
・親の伝え方が悪いのか、本当にまだ必要ないのかが分かりません。

ご家族はあまり深く考えずに、お子様が苦痛に感じていること、お世話する上で困っていることなどを自分の言葉で伝えてもらえば良いと思います。たくさんの情報の中から、医師は改善できることに治療の提案をし、どうにもならないことに対してその理由を説明します。
外来診察での患者さんの姿だけではわからないことが多いので、写真や動画を撮影しておいてもらえると理解しやすいです。言葉で伝えることが難しい内容は動画だと伝わりやすいです。
正しい方向に進んでいるか不安な時は、ボバース記念病院を含め小児整形外科専門医の外来を受診されると良いと思います。かかりつけ医があっても、一度だけ意見を聞きに来られる方もおられれば、定期的に2カ所で検診を受けておられる方もおられます。あまり情報を増やしすぎると混乱する場合もありますので、信頼できそうな医師からバランスよく情報収集するようにしてください。

 

 

リハビリについて

Q 高齢で運動量が少ないため、徐々に出来ないことが増えてきました。今から始めることができる効果的な運動方法などが知りたいです。

日常的に身体を動かしたり伸ばしたりする習慣をつけることが最も効果的です。まひのタイプや部位などによって様々な方法がありますので、今後の講演会で取り上げ、効果的な方法をお伝えできたらと考えています。

 

Q 高齢になり、重症化してからのリハビリの内容や効果を知りたいです。

痛みや息苦しさ、食べにくさ、不眠、褥瘡など、リハビリテーションによって少しでも改善できることはあります。また、姿勢設定や生活習慣へのアドバイスによってより楽に生活できる可能性もあります。

 

Q ボツリヌス療法実施後の集中リハビリについて質問です。どの位の頻度、時間、期間、運動内容(関節可動域練習、動作練習など)が効果的なのかがエビデンスがあれば教えていただきたいです。またエビデンスがなくても臨床経験上どう感じていらっしゃるかでも結構です。

ボツリヌス治療後の集中リハビリ自体はエビデンスがあるとされていますが、細かなメニューについて比較した文献はあまりないと思います。ここからはボバース記念病院の経験を書きます。ボツリヌス治療後は、効果があるとされる1週間後〜3ヶ月後の間に週1回の外来リハビリを6回行うか、入院して集中リハビリを毎日行っています。必ずしもリハビリとセットで行っているわけではなく、リハビリに通えない患者さんには注射だけ行う場合もあります。
ボツリヌス治療は痙縮が強い筋肉を緩める治療ですので、効果がでている間に、周囲の関節可動域訓練を行いながら、筋バランスを整えてあげることが大切だと思います。下肢であれば、立位姿勢や歩容の改善を意識したリハビリが有効です。踵をつけて歩くとか、膝をしっかり伸ばして立つとかいくつかの目標を設定して、イメージを焼き付けることで、ボツリヌス治療の効果が切れた後も良いイメージを残すことができると思います。上肢であれば、書字や食事などのADL訓練も併せて行います。訓練をしながら、将来的な手術適応についても検討していく必要があります。

 

 

運営方法について

Q 講演会の申込をしましたが、視聴URLが届きません。

申込をお受けした際、自動的に「bhp-web-yoyaku@omichikai.or.jp」より視聴URLを送信いたします。一定の時間が経過してもお手元にメールが届かない場合、ご登録いただいたメールアドレスに誤りがあったり、ご利用のメールソフト(アプリ)の設定でこちらからのメールがはじかれたりしている可能性がございます。お心当たりのある場合は、当院までご連絡ください。迷惑メール対策サービス・ドメイン指定受信をされている場合は、設定の変更をお願いいたします。

 

Q 今後もオンラインの形式で開催予定でしょうか?

オンデマンド配信(録画方式)で実施予定です。

 

Q 講演会の視聴期間を延長する予定はありますか?

申し訳ありません。視聴期間の設定を変更する予定はございません。

 

Q 申込時に事前質問や要望を記入することはできますか? 講演会の中で質疑応答はできるようになりますか?

講演の中でご質問やご要望に漏れなくお答えすることが難しいため、お受けいたしておりません。配信後にアンケートにおいてご質問・ご意見をお受けしております。

 

Q 講演のレジュメ・資料をダウンロードすることはできませんか?

配信後のアンケートにお答えいただいた方に講演のレジュメ・資料を公開しております。

 

Q 過去の講演会を視聴することは可能ですか?

現在、視聴期間が終了したテーマの講演動画は公開しておりません。今後、再配信について検討させていただきます。

 

Q SNSやインスタグラムに講演会のことを載せてもよろしいでしょうか?

掲載していただいて差し支えありません。

 

 

その他

Q 今後の多職種連携(学校や療育園等外部施設と)について、オンラインで連携を図れるよう準備されているとのお話がありました。実際の治療場面(リハ場面)の配信も検討されているのでしょうか?

外部の方とオンラインでカンファレンスを開けるようになっており、実際の治療も画面を通じて御覧いただけるようにいたしております。受信者側であらかじめネット環境を整えていただくことと、個人情報の漏洩を防ぐために部外者に見えないような工夫をしていただくことが必要です。また、参加者の方々には守秘義務に関する同意書をお願いしております。具体的な方法については入院の際にご確認ください。

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