ステントグラフト治療機器

「ゴア® TAG® 胸部大動脈ブランチ型ステントグラフトシステム (TBE) 」とはどのような治療機器ですか?

TBE(ティービーイー)は、カテーテル(細い管)を使って血管の内部から大動脈瘤などを治療する「ステントグラフト」と呼ばれる人工血管の一種です。

TBEを用いた治療が対象となる病気

  • 胸部大動脈瘤 (胸の大動脈の一部がこぶのように膨らんだ病気)
  • 大動脈解離 (血管の壁が裂ける病気)
  • 外傷性大動脈損傷 (交通事故などで大動脈が傷ついてしまった状態)

これらの病気が発生しやすい大動脈のカーブ部分には、左腕や脳へ血液を送るための重要な血管(左鎖骨下動脈など)が枝分かれしています。

TBEの特長

TBEはこの枝分かれした血管への血流を確保しながら、大動脈瘤の破裂や解離の進行を防ぐことができるよう特別に設計された「枝(ブランチ)付き」の胸部用ステントグラフトです。2025年9月より保険適用となった、日本初の胸部大動脈用ブランチ型製品となります。
TBEを用いた治療には、高度な技術と設備が必要なため、専門の教育プログラムを修了した医師がいる限られた医療機関で行われており、森之宮病院はその1つです。

 

 

 

TBEの3つの大きなメリット

① 体への負担が少ない(低侵襲治療)

これまで、この部位の病気をステントグラフトで治すには、ふさいでしまう枝の血管の血流を補うために、首周りを切開して別の血管をつなぎ直す「バイパス手術」を事前に行うのが一般的でした。TBEは本体に枝が組み込まれているため、この追加のバイパス手術を回避(または最小限に)でき、手術後の痛みも少なく、回復が早いというメリットがあります。

② 左腕や脳へ向かう血流を温存できるよう設計されています

ステントグラフト本体に、枝分かれした血管につなぐための専用の「接続口」と「枝のパーツ」が備わっているため、こぶや裂け目への血流を遮断しつつ、左腕や脳へと続く重要な血管へはスムーズに血液を流し続けることができます。

③ 待ち時間が少なく、すぐに治療が始められます

これまではステントグラフトの作成や加工に時間がかかることがありましたがTBEは「あらかじめ設計・用意されている規格品」であるため、早急な処置が必要な外傷や大動脈解離の場合でも、必要なタイミングで速やかに治療を開始することができます。

 

どのような患者さんが対象になりますか?

  • 胸部大動脈(特に左腕へ向かう血管の近く)に大動脈瘤や損傷、解離があると診断された方
  • ご高齢である、あるいは心臓や肺などに別の病気をお持ちで、従来の「胸を大きく開く手術」や「首のバイパス手術」はリスクが高く難しいと言われた方

これまで手術の負担が大きすぎるために積極的な治療が難しかった患者さんにとって、TBEは体に優しく、より安全に治療を行える可能性を持つデバイスです。

 

日本での治療実績と保険適用について

日本の厚生労働省の承認を受け2025年9月1日より健康保険の適用(保険収載)となり、高額療養費制度などを利用して、一般的な保険診療と同じように経済的負担を抑えて治療を受けることが可能になっています。

 

よくあるご質問(Q&A)

Q. TBEの治療は誰でも受けられますか?

A. すべての患者さんに適応できるわけではありません。患者さんの血管の太さ、カーブの角度、病変の位置などが、TBEを安全に留置できる条件を満たしているか、CT検査などで専門医が詳しく調べる必要があります。

Q. 治療を受けたい場合、どうすればいいですか?

A. TBEを用いた治療は、高度な技術と設備が必要なため、専門の教育プログラムを修了した医師がいる限られた医療機関で行われます。
まずは現在かかりつけの主治医に「TBEなどのステントグラフト治療の適応はないか」をご相談いただくか、大動脈瘤の治療を専門とする「血管外科」や「心臓血管外科」を受診してください。

森之宮病院へのお問い合わせは、以下の問合せ先にお願いいたします。

 

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